仁秀の由来

御室桜の名所として名高い仁和寺は、宇多天皇によって仁和四年(八八八年)に落成され、皇族が住職を務める門跡寺院の筆頭として仏教各宗を統括していました。以来、代々の天皇御家族が仁和寺の門跡を継承する伝統となり、明治初期の小松宮に至るまで三十代、一千年の長きに亘り続きました。

いまでは世界遺産として、御所紫宸殿を移築した国宝の「金堂」、重要文化財の「五重塔」、尾形光琳の茶室「遼廓亭」などを伝えています。「御室窯」の開窯は正保三年(一六四六年)、後陽成天皇により御室御所庭内に築窯され、初代御用達陶工として仁清を迎えました。「京焼の祖」として知られております仁清は、茶人、金森宗和より茶道を学び、数々の茶器を制作しました。それらの「御室焼」が京焼のルーツといわれております。御室焼三巨匠である仁清、尾形乾山、尾形光琳の多くの作品は国宝、重要文化財に指定されており、近年の功労者として、永楽和善(一八二三~一八九六)が仁清窯を復興し作陶したことで知られています。

「仁秀」の銘は、その歴史ある仁和寺第43代門跡、立部瑞祐大僧正猊下より賜り揮毫頂いたもので、由緒ある「御室窯」の神髄を今日に継承する栄を賜っております。

世界遺産 仁和寺
京都府京都市右京区御室大内33 Tel. 075-0461-1155
http://www.ninnaji.jp/

仁和寺の菊紋と「仁秀」印

世界遺産である仁和寺は、宇多天皇によって八八八年に天皇のお住まいとして建立されました。「御室」とは天皇の居室の意で、明治維新以前は仁和寺は「御室御所」とよばれておりました。以来、代々の天皇とご皇族が住職を務められました筆頭門跡寺院としての寺歴ゆえに、仁和寺御用達として仁秀は菊の御紋(皇室の十六八重表菊花紋)の使用を恵賜されております。初代御室窯当主の仁清は自身の銘を陶器に入れ、窯主が銘を入れることが習わしとなりました。真正な仁秀作品には、日本の手づくり陶器でも最高の品質の名品である証として、御室窯の歴史を担う仁秀の落款が捺印されています。

仁和寺霊宝館
仁清の御室窯の作品や仏像などをご覧頂けます。
( 拝観料有 / 期間限定 )
「仁秀」販売コーナー
「御室会館」Tel. 075-464-3664

歴史ある手づくり陶器の美

現在、陶器の 99% は自動鋳込み、転写印刷により量産されています。いわゆる型ものは個体差がなく正確ですが、鑑賞に耐えうるものではありません。仁秀は「手造りの 器」のみを、認定名匠の「ろくろ手挽き」により、一客一客製作しております。

仁秀陶器の美は、精緻な造形、大胆な指先の挽き筋、彩色豊かな釉薬の景色にあります。その正真正銘の意匠は卓越した手挽き技術とともに意匠登録で保護されております。 器の表情は「手がけ施釉」により創られています。密度の高い磁器にくらべ、陶器は やわらかい土の手造りであるため、釉薬は素焼き生地に浸透し、窯内で変相されます。釉薬は古来からの伝統を誇る調合技術の結晶です。仁秀はその「窯変」の美を操る焼成 技術を伝承しております。

また、仁秀は「古きが良し」ではなく、「良しが古き」になると考えております。昨今の生活様式は御室窯開窯の350年前とは勿論のこと、この10年でも大きく変化しております。伝統を後世に残すためには、時代の変化も受け入れた上で良い物を追求することが重要です。現在の仁秀の作品においては、全てのブランドで電子レンジと食洗器の利用が可能で、持ち易さを求めたフォルムは造形美だけでなく機能美も追求しており、伝統技術だけでなく実用性も兼ね備えた作品です。

筆頭門跡寺院
仁和寺御用達